高校2年生が質問を持ってきた。
「2桁の自然数のうち、7で割り切れる数の和は?」みたいな問題。
ぜんぶ書いていったらええやん
え…
いつもの良くある反応ですね。
14+21+28+35+42+49+56+63+70+77+84+91+98=728
これでよくないですか?
小学生でもできそうですよね。
↑こんな話もしてます。
何か特別な新しいことをやっているわけではありません。
まず、手を動かして書いてみる。
それだけで答えまですぐにたどり着けます。
「やってみる」というのはいつも言い続けていても、こんな感じです。
「何か特別な簡単に答えが出せる方法があって、それを覚えて、それに当てはめて解けばいいんじゃないか」という謎の勉強観から抜け出すのは容易ではありません。
新しいことを学んだら、今まで学んだことをポイっとしてしまうことはよく目にします。
それを何とか防ぐために、日々格闘中です。
新しいことを学んだとしても、今まで学んだことと関連させる、さらには全く同じものだと認識してもらうために日々言い続けているのです。
4桁とかになったら書ききれません!
まあ、そうですよね。
それは、工夫で乗り切りましょう。
さっきの2桁の問題のたし算を楽にすることを工夫しておくのです。
計算するときに「ちょっと考える」のです。
ひっくり返してたしてみると…
14+21+……+91+98
98+91+……+21+14
112+112+……+112+112
あら、楽ちん。
何個あるのかなー?と考えてみると…
14から98までは84かー
7ずつ増えてるから7を12回足してるなー
それは数と数の間の数やから数は全部で13個あるなー
2個分足してるから2で割らんとあかんな―
ということで112×13÷2=56×13=560+168=728かー
みたいに考えておくと、何桁だろうができるのです。
これを一般化すると
(初項+末項)×(項数)÷2
となり、おなじみの
$$\frac{1}{2}n(a_1+l)$$
という公式のようなものが出てきました。
ここまで、特に目新しいことはやってないですよね。
それを何か、公式なるものを覚えて、それに数字を当てはめて、答えを出すのが勉強だ!みたいな考え方を持っている人が多いですよね。
こういう話をして、仕組みも理解したうえで問題を解いていくと、残念ながら公式的なものだけが頭に残り、仕組みを忘れてしまうこともよく起こります。
ですので、たまに、
なんでそうなるの?
と聞き続けるのです。
「なんでそうなるのか?」を適時、自分でできれば最高なのですが。
そうなってもらうために、自分で自分に問いかけるべきことばをかけ続けているのです。
仕組みを理解して、公式的な何かを覚えてしまうのは問題ないのですが、はなっから理解しようとせず、公式だけをとりあえず覚えて答えを出している状態は危険です。
数学を暗記で乗り切ろうとすると、目の前の問題は解けますが、遅かれ早かれ壁にぶち当たりますし、最後まで丸暗記で乗り切ろうとすると、膨大な量を覚えなくてはいけないことになります。
「ちょっと考える」ことでできるはずのことを、暗記で乗り切ろうとする勉強は、早めに卒業しておきましょう!