塾生の隣で計算している様子を見ていると、どんな計算でもすぐに筆算をはじめる生徒がほとんどです。
上の計算は25×2、下の計算は50-18ですね。
これは暗算案件ですね。
「暗算して!」というと「間違えるのが怖い」という答えが返ってきます。
こちらは56÷2
これも暗算したいですね。
算数・数学が得意な生徒でもすぐ筆算しちゃう習慣はなかなか抜けません…
38×3を暗算して、最後に10倍する工夫をして欲しいやつですね。
「00」を書くのを面倒くさがってほしいのです。
234÷6もがんばって暗算に挑戦してほしいです。
日ごろから「暗算してっ!」「暗算!」と言い続けています。
間違えるのが怖いのは、暗算の訓練を普段からしていないから。
計算の工夫をしていないことも原因です。
125×36の計算も暗算でできるようにしておいてほしいのです。
45÷0.25なんかもそうです。
125は2倍したら250になるなあ、もう2倍したら500になる!ということは125×36は500×9にできる!じゃあ答えは4500や!
0.25は4分の1だから、4分の1で割るということは4かけることと同じ!じゃあ45÷0.25は45×4になる!45の2倍は90だから答えは180!
みたいに、ちょっと考えて工夫してほしいのです。
数量感覚というか数を上手に使いこなすというか、そんな感じのことを訓練しておきたいのです。
学習が進むにつれ、内容が複雑になってきたときに、いちいち筆算しているとそこで頭のメモリーが消費され、それ以外のことに頭が回らなくなっていくのです。
あれこれ試行錯誤するときも、計算がおぼつかないといろいろな方法を試す体力も時間も余裕がなくなってしまいます。
検算するにしても、わざわざ筆算しなければならないとなると面倒くさくてやりたくなくなります。
「暗算して間違えるのが怖い」という人ほど筆算して間違えます。
暗算する力が身につけば、いろいろな方法で計算してみることでミスも減ります。
確認しようという気にもなります。
計算以外のことに気が回るようになります。
いいことづくめです。
だから、簡単なうちに暗算の習慣をつけておくのです。
$(x^2+5x+2)(x^2-3x-6)$みたいなのも暗算に挑戦してもらいます。
暗算しようとする意識がつき始めると、今度は逆に計算ミスが増えたりします。
その暗算は今の自分の能力を超えているということです。
そうやって、これくらいは暗算できる、これ以上は間違えるかもしれないというラインを見つけていくのです。
そのうち、がんばって暗算しようとしたときに「あっ、間違えそう…」と思えるようになります。
そうなったら暗算をストップしてあきらめて途中の計算を丁寧に書きましょう。
そこでようやく筆算の出番です。
おすすめの計算方法は、ちょっと背伸びして暗算したみて、間違っているかもしれないという不安に駆られ、もう一度丁寧に計算してみるという方法です。
これでかなり計算ミスは減りますし、計算力もつきます。
こうやって少しずつ、計算する力を伸ばしていくのです。
計算ミスが減らない原因の大半は実力不足です。
計算を工夫することを怠っています。
計算を楽にしようとする工夫です。
でも、どれだけ算数・数学が得意になっても計算ミスはなくなりません…
ミスは出ます。
ミスは出るので必ず確認するようにしてもらいます。
答えがあっているのか、妥当なのかの確認です。
最後に確認するのはもちろんですが、途中で気がつけるようになりたいですよね。
計算ミスをどの段階で気がつけるようになるかもひとつの能力になります。
「なんかおかしい」と思えるか、そう思ったときに修正できるかという能力も必要です。
「計算ミスはするものだ」という前提で計算することが大事かもしれませんね。
「途中の計算をしない」というのもひとつの手ですね。
式のまま置いておいて最後に一気に計算するという手もありです。
などと、偉そうにあれこれ言っていますが、自分自身はというとめちゃくちゃ計算ミスします!
塾生に解説をしながら、しゃべりながら計算しているから…という言い訳をしておきます…
(ひとりで集中して問題を解いているときでもよく計算ミスはしますが…)