小学生は100点のその先を目指してほしい

塾の話

小学生のテストで100点をとるのはそこまで難しいことではないです。

学校の授業をしっかり聞き、実践できれば簡単と言ってもいいでしょう。

100点を取っているから内容を理解していると判断するのは少し待ってください。

しっかり「理解している」のか「問題が解ける」だけなのかで大きく違ってきます。

この「問題が解けるだけ」という状態は、必ず今後どこかのタイミングでつまずくと言っても過言ではないです。

「理解している」状態の生徒でも、理解しきれないところにぶつかるとつまずきはしますが、「問題が解けるだけ」の状態では、かなり早い段階でつまずきます。

原因は、「問題を解くこと」が目的になってしまうからです。

理解していなくても問題が解けることを優先してしまうのです。

そして、解き方を覚えようとしてしまうのです。

解き方を覚えて問題を解くことを続けていくと、解き方を覚えなくてはいけない、解き方を知らなければ解けない、解き方を知らないから解けない、解き方を忘れたから解けないとなっていくのです。

まず、その算数や数学が「覚えて解く」科目ではないということを理解しておいてほしいのです。

覚えようとするのではなく、やっているうちに自然と覚えてしまったというのが理想です。

「理解している」かどうかは、残念ながら見えません。

小学校のテストでは、どう考えているかが見えにくい「理解している」のか「問題が解けるだけ」なのか判断するのが難しいです。

ですので、塾生には「どう考えたか」を説明してもらうことが多いです。

高校生のかなり数学が得意な生徒でも、しっかりと順序だてて答案を書くことは難しいです。

途中の計算やちょっとしたメモで、どう考えたか判断できるので絶対に消さないようにとも伝えています。

「どう考えたか」を説明してもらうと、説明の途中で「そう思ったから」とか「なんとなく」というのが紛れ込んでくるので面白いです。

中学生・高校生であれば「なぜそうなるのか」ということを追求してもらいますが、小学生にはあれこれ試してみたら答えにたどり着いたという経験をしてもらいたいです。

小学生の間にそれをやってこれなかった生徒には、中学生も高校生も中学入試レベルの算数の問題をやってもらっています。

算数・数学は解き方を覚えるのではなく、あれこれ試行錯誤したのちに規則を見つけ出したり、答えまでの道のりを見つけ出す経験をしてもらいます。

本来ならば、テストや課題に追われない小学生の間にやっておいてもらいたいことなのですが、あまりそういう経験はしてきていないようです。

覚えたことを使って答えを出すという考え方が、結構な割合で染みついてしまっています。

「数的感覚」や「割合」、「速さ」なども感覚として身についているものをベースに考えられるように試行錯誤する練習も積んでもらいます。

特に「速さ」や「割合」では、公式のようなものが存在し、式に値を代入すれば答えが出る、そうやって答えを出すものと思い込んでいる生徒は多いです。

15分で4㎞進む時の時速は?と問われたときに、速さ÷時間で計算しようとしたら赤信号です。

15分で4km進むということは…30分で8km進むなあ…ということは1時間で16km進むから、時速16km!

みたいな考え方はほとんどの生徒はできます。

それをやってこなかっただけで。

そんなに難しく考えなくても、よくわからない公式を使わなくても、少し考えたらわかるということを伝えたいのです。

そうすることで、あれもこれも考え方は同じ!と思えるようになっていくのです。

今持っている感覚を大事にしつつ、バージョンアップしていければこの先そこまでつまずくことはないのではないかと思うのです。

算数・数学は決まった解き方があるのではなく、もっと自由に考えられる素敵な科目なのです。

あれこれ試行錯誤する大変さはありますが、それをするのが算数であり数学だというふうに考えられるようになってほしいのです。

 

 

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